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補聴器外来

聞こえにくいと感じたら、まずは耳鼻咽喉科で診察を受けることをお勧めします。

健聴者(難聴でない人)は、ふだん「聞こえる」ことの大切さを実感することはありません。「聞こえる」ということは、日々の生活の中で人間関係を保つために大変重要な役割を果たしています。友人と話す、自然の音を聞く、音楽を楽しむ、危険を感じる などはすべて「聞こえ」があってこそできることです。

聴力が低下する(「聞こえ」が著しく衰えてくる)と初めて普通に聞こえることの大切さに気づきます。

年齢が高くなるにつれて「聞こえ」が悪いと感じる人の割合は増えていきます。

聞こえにくくなること、それは誰にでも起きる自然なことなのです。

一般的に加齢による難聴は何年もかけてゆっくりと症状が進んで行きます。難聴者自身も自分の「聞こえ」が低下していることになかなか気づくことができません。多くの場合、家族や友人や同僚があなたより先にあなた自身の「聞こえ」の問題に気づきます。

聴力の衰えにはいくつかのサインがあります。

「会話をしている時に聞き返す。」「後ろから呼びかけられても気づかない。」「聞き間違えが多い。」「話し声が大きいと言われる。」「見えない所からの車の接近に気がつかない」「電子レンジや体温計などの電子音が聞こえない。」「耳鳴がある。」

これらのサインが実生活で一つでも該当される方は、耳鼻咽喉科を受診しましょう。

聴力が低下する状態の中では、耳鼻咽喉科の治療により回復が見込めるケースもあり、また逆に病的にさらに進行するケースもあるからです。治療しても回復が見込めず、難聴による不自由さを感じておられる場合は、補聴器の装用についてご説明することとなります。

当院では補聴器外来を行っております。(完全予約制)

日本耳鼻咽喉科学会補聴器相談医の資格を持つ院長指導の下、認定補聴器技能者により最適な補聴器を作成および調整、修理をさせていただきます。

 

補聴器外来を希望される方へ

受診の流れ

①まず初診あるいは再診の手続きをしていただき、聴力検査を受けていただきます。その時点で医師の診断により補聴器適応の有無を判断し、ご本人のご希望をお伺いした上で「補聴器外来」の予約を行います。

 

②「補聴器外来」に来ていただくと「認定補聴器技能者」の資格を持ったスタッフが、難聴者とそのご家族とご一緒に補聴器の「機種選択」「調整」「装用指導」などを行います。

 

③「補聴器外来」では補聴器の貸し出しを行っております。(2~4週間を目安に自宅に持ち帰っていただき、日常生活の中で試していただくことができます。)

 

④貸し出しの時に再度「補聴器外来」を予約させていただきます。補聴器装用の感想を伺い、必要に応じて再調整、機種の変更、そして貸し出しを繰り返します。

 

⑤試聴の結果、補聴器が役に立つと判断されれば購入を検討していただくことになります。あまり効果が無いようであれば補聴器を返却していただきます。

 

すでに補聴器を持っておられる方は、その補聴器が最も適したものであるかを調べて、必要であれば再調整や機種の変更、または装用耳の変更(反対の耳へ、あるいは片耳から両耳へ)などを行います。(補聴器のメーカーによっては対応ができない場合もありますのでご了承ください。)

耳鳴に対してサウンドジェネレーター機能付きの補聴器の貸し出しを行い、耳鳴に対する音響療法(TRT療法)も行っております。

補聴器は「買って終わり」ではありません。購入後のアフターケアーも重要です。今まで使ってきた補聴器が合わなくなってきたなと思われた場合は、聴力の低下によるものなのか?補聴器の不具合が原因なのか?をよく調べて判断し、必要に応じて聴力検査や補聴器の再調整を行う必要があります。

補聴器は耳鼻咽喉科の医師が常に管理できる環境のもとで製作されることをお勧めします。


*補聴器の低い普及率

補聴器に対する世間一般の印象はあまり好くありません。「補聴器はうるさいだけで、言葉は聞き取れない」「補聴器は買ったけど、役に立たないので使っていない」といった意見をよく聞きます。

そのような評判のため、多くの人が補聴器を敬遠しています。日本では補聴器が必要な難聴を持った人のうち、補聴器を使用している人は13.5%に過ぎません。それは欧米諸国と比べても低い値となっており、また補聴器を使用している人の満足度も欧米諸国の半分程度となっています。

なぜそのような差が出てしまっているのでしょうか。それは補聴器に関する正しい知識が周知されていないことが一番の原因と思われます。また、有資格者の販売制度や補聴器技能者の公的資格化が確立されていない結果、それぞれの状態に合った補聴器を販売できず、せっかく補聴器を購入したのに聞こえるようにならないためそのまま断念して使わなくなってしまっていることが多いのです。

*補聴器に対する正しい理解

「補聴器を使えば元の聞こえに戻る」「補聴器は買ってしまえばそれでずっと使える」このようなイメージは正しくありません。補聴器は聞こえを補助するものであり、必ずしも元の聞こえに戻るということではないのです。

補聴器は購入後にきちんと調整を続けていくこと、そして使い慣れていくことが大切で、購入してすぐに本来の力を発揮できるものではないのです。通常数か月かけて徐々に聞こえるようになっていきます。

難聴者が言葉を聞き取るためには、聞き取りに十分な音量を入れる必要があります。そのような音を補聴器から入れると、言葉以外のいろいろな雑音が聞こえてきます。この雑音は最初はたいそう不快で煩わしいのですが、補聴器装用を継続することで慣れて、徐々に不快感は減っていきます。不快感が緩和したところで音量を上げていきます。

ところが不快感を取ろうとして音量を下げてしまうと、言葉を聞くために必要な音量を入れることができず、結局は役に立たない補聴器となってしまいます。そのため聞こえるようになるには「不快感をある程度我慢して頑張らなければいけない」という認識が大切になってきます。

通常、初回の調整時には必要な音の70%程度の音を入れます。これまで静かだったのに突然色々な雑音が入って来るようになり煩わしいです。しかし多くの人は3~4日で少しずつ慣れてきて1~2週間でさらに慣れが進みます。脳が変化していくからです。脳を変化させるためには初めからできるだけ長時間装用することが望ましいです。装用時間が長ければ長いほど脳の変化が生じて不快感に慣れていきます。慣れたら音量を上げるということを繰り返して、言葉を聞き取るために必要な音量まで上げていきます。通常数か月かけて聞こえる補聴器となっていきます。

逆に装用時間が短いと慣れが生じないので音量を上げることができず、言葉が聞こえる補聴器とはなりません。

普段、歩くトレーニングやリハビリもせず座ってテレビばかり見ている人が、急に歩いたり走ったりできないのと同じことです。

聞こえる補聴器にするためにがんばっていきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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